0人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
「人間は馬鹿な生き物だ」
せっかく我が、まだ間に合うところまで巻き戻してやったのに、同じことを繰り返すなんて。
危ないからここは電信柱鬼ごっこはやめよう、寄り道しよう、など、二人が無事でいられる選択肢もあったのに。
復讐に心を捕らわれた証拠だな。
でも未来は変わったようだ。
我の見ている先には、三咲という人間がいた。
「三咲、一緒に帰ろう」
「ごめん、由美。 私、あーちゃんのお葬式に行く」
「え! どんな心境の変化よ、それ。 あんなにもウザいって言っていたのに」
「遅すぎるけど、失って初めてあーちゃんのことが大好きだったって気がついたから」
「ふーん。 ま、良いわ。 じゃあね」
「うん。 バイバイ」
アイツのしたことは無駄ではなかったようだ。
「ねぇ、あーちゃん。 生まれ変わったらまた友達になってくれますか」
fin
最初のコメントを投稿しよう!