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気づいたときには、私は幽霊という存在になっていた。
私はみーちゃんを探し、無事を確認する。
みーちゃんは元気そうだった。
私はホッと胸を撫で下ろした。
私の理想の死に方は誰かを庇って死ぬことだ。
大好きな親友を助けられたんだ。
悔いは無い。
いや、あえて言うならば一つだけある。
みーちゃんに一言、お礼とお別れ、そして大好きだったと伝えたかったな………。
そんな事を考えながらその場から立ち去ろうとした時、信じられない会話を耳にした。
「由美、今日一緒に遊ぼう! 」
「え? でも梓ちゃんのお葬式、今日じゃなかったっけ? 」
「もー、何言っているの。 私がアイツのことウザいって言っていたの、知ってるくせに」
え………?
「まぁ、いつも三咲にべったりだったもんね」
「助けてくれたのはありがたいけどねー、私だってたまには由美と一緒に帰りたかったのに、毎日毎日一緒に帰ろうって。 私以外に友達いないの、って感じ」
君は、誰………?
本当に、私の知っているみーちゃん?
「あはは、言うねー。 良いよ、カラオケ行こうか! 」
「うんっ」
私は楽しそうに帰る二人の姿を呆然と見送ることしか出来なかった。
そして冒頭に戻る。
ねぇ、みーちゃん。
友達と思っていたのは私だけ………?
私の一方通行の想いだったの?
だったらどうして?
どうして言ってくれなかったの?
いっその事、「あんたなんか大嫌い」って言ってくれた方が良かった。
はっきり言ってよ。
そしたらみーちゃんの傍にいなかった。
「復讐、したい? 」
突然、声が聞こえた。
知らない声が。
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