第二話

3/4
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
誰………? 「我は神とでも言っておこうか。 我ならば時間を巻き戻すことが出来る。 あの事故が起こる前に」 神様………? 神と名乗る者の姿は見えなかった。 しかし声は、ハッキリと聞こえてきた。 ねぇ神様。 そんな事言わないで。 お願い。 誘惑しないで。 「大丈夫。 簡単だよ? また再現して、今度は助けないで見捨てれば良い。 もし何か言われたら、足がすくんで動けなかった、と言えば良いのだから」 見捨てる………? 罪悪感を覚えたが、先程の会話を思い出せばそれも簡単に消えていく。 そのかわり憎しみが募っていく。 「君のお葬式が始まってしまえば時間は戻せない。 さぁ、戻すならば今のうちだよ? 」 人の道を外すことはしたくない、そう思っていたのに。 「………時間を巻き戻して下さい」 言ってしまった………。 「良い返事だ。 どうぞ」 その瞬間、立っていられないくらいの目眩がした。 私は思わずしゃがみこんだ。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!