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誰………?
「我は神とでも言っておこうか。 我ならば時間を巻き戻すことが出来る。 あの事故が起こる前に」
神様………?
神と名乗る者の姿は見えなかった。
しかし声は、ハッキリと聞こえてきた。
ねぇ神様。
そんな事言わないで。
お願い。
誘惑しないで。
「大丈夫。 簡単だよ? また再現して、今度は助けないで見捨てれば良い。 もし何か言われたら、足がすくんで動けなかった、と言えば良いのだから」
見捨てる………?
罪悪感を覚えたが、先程の会話を思い出せばそれも簡単に消えていく。
そのかわり憎しみが募っていく。
「君のお葬式が始まってしまえば時間は戻せない。 さぁ、戻すならば今のうちだよ? 」
人の道を外すことはしたくない、そう思っていたのに。
「………時間を巻き戻して下さい」
言ってしまった………。
「良い返事だ。 どうぞ」
その瞬間、立っていられないくらいの目眩がした。
私は思わずしゃがみこんだ。
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