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縛られた手足は紐に肉が食い込んで鬱血状態になっている。
「まあこの体型でこの状況なら仕方ねーだろ。」
スドウが非常にも冷静な判断を下す。
「・・・なあ、ちょっといいか?」
今まで黙っていたイガラシが急に声を出した。
「なんだおっさん、喋れんのか。」
「スドウ、挑発するのはよせ。イガラシさん、どうしたんだ?」
「なんで俺たちがここにいるのか、何故7人なのかわかった気がすんだよ。」
「ほんと!?おじさん!」
「な、何故ですか!!」
7人もいると騒ぐと収集がつかなくなるものだ。
「うるせぇ少し黙ってろ!!」
強面のスドウが一喝した。
自ら人を殺したと公言したことも効果的で一瞬で場は静まった。
「少しは役に立つんだなお前も。イガラシさん、話してくれ。」
「俺はクソ野郎でな。こんな歳になっても働かずに親に養ってもらってるような奴だ。だがついこの間その親が死んじまってな。」
自分の親が死んだ話を淡々を、まるで他人事のようにイガラシは話す。
「理由は当然俺のせいだ。働かない俺の分まで働いて過労死だ。それでふと思ったんだが、スドウさんよ。あんたも人を殺したんだろ?」
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