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するとハヤテの磔台もタナカと同様に崩れ落ち、一瞬で姿が見えなくなりやがて着水音が聞こえた。
タナカとは違い、一切の叫びを上げることなく消え去った。
彼の感情は欠けるものがあったのだろう。
それは恐怖心や罪悪感。
それ故に化物としてこの世に生きたのだ。
「さあ、残り5人になったな。おデブちゃんはもうくたばってるだろうから4人か。」
「・・・俺も行かせてもらうぜ。ごめんな、賢也。」
スドウは覚悟したように目を瞑り、ハヤテ同様静かに消えていった。
「わ、私も行くわ・・・。もう覚悟はできてる。私のせいで、私に惚れちゃったせいでみんな死んじゃったんだ。ごめんね・・・。」
続いてアゲハの磔台も崩れた。
「きゃーーー!」
彼女の高い叫び声は遠くになっても耳に響いた。
バシャンという着水音は、俺とイガラシの沈黙の中で恐怖心を煽るように響く。
「さあ、俺とタローさんだけになったな。自分の罪を認める気になったかい?」
「ふざけるな・・・。そんなもの、認めない・・・。」
「そうか。じゃあ先に行かせてもらうぜ。あとは1人で頑張りな。母ちゃんゴメンな。今そっちに行くぜ・・・。」
イガラシは一切の恐怖を顔に出さず、静かに落ちていった。
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