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「最初から?あ、勘違いしないでね。最初っていうのは意識があるまま縛られたんじゃなくて、みんなの中で1番最初に目が覚めたってことだよ。」
ということは今までの会話をずっと聞いていたのか。
この男、要注意したほうが良さそうだ。
「お前の記憶はどこまである?」
「君らと同じ。不自然な所で途絶えてる。」
「俺ら3人はなぜこんな状況になっているんだと思う?」
すると急に彼は喋らなくなった。
「おい、どうした?」
「・・・なんか尋問されてるみたいでいい気分じゃないなぁ。」
「磔にされているんだ。いい気分も何もないだろう。この状況を打破するほうが優先されるべきだ。」
冷たい風は絶えることなく吹き続けている。
そろそろ体力の限界もあり、苛立ちも感じて来た。
皆、他人の一言一言に不快感を覚える。
「まあ、確かにそうだね。じゃあ答えるけど、まずここにいるのは三人じゃないよ。」
「え!?まだいるの!?」
黙っていたと思ったらこの女はやはり五月蝿い。
だがその事実は驚愕だ。
再び襲って来ていた眠気が吹き飛んだ。
「何故そんなことがお前にわかるんだ!」
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