16.彼の優しさ

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「……ん」 目を覚ました時、見覚えのない天井が映った。 マシュマロのようなふわりとした感触。 …ベッド……? 何度か瞬きを繰り返して、ようやく自分の家ではないことに気がついた。 あれ……私、あれからどうやって……。 ふと、手に温かさを感じ、ぼんやりと視線を向けた。 その瞬間、心臓の鼓動が大きく鳴り響いた。 あまりの衝撃で、一瞬で目を覚ました。 楢崎くん……。 床に膝をついたままうつ伏せになるように、ベッドの脇で私の手を握り締めながら、彼が眠っていた。 もしかして、あれからずっとそばにいてくれたの……? まるで離さないようにと私の手を握り締める彼の手が温かくて、ずっとそばで寄り添ってくれていたのかもしれないと思うと、胸が強く締めつけられた。
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