第2章 記憶

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「っ!!」 言葉にならない言葉とは、こういう事をいうのだろうか。 誰が家族を取りまとめたのか。 誰が最初の一歩をすすんだのか。 分からないまま 私たちは 瓦礫道を進んだ。 だらりと瓦礫の隙間から白い手が伸びている。 「助けて」と声が聞こえる。 叫び声が耳をつんざく。 幻聴と幻覚に惑わされ、夢なのだと母の手をぎゅっと握りしめる。 目をこすっても、耳を塞ぎいでも 変わらない目の前にある光景は まさに 地獄絵図だった。
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