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このなんだかよく分からない、でも懐かしいような妙な夢は、ここ最近よく見るようになったものだ。
何かの暗示なのか、単なる偶然なのか……起きたばかりの頭ではどうにも整理しきれず、一旦考えることをやめて体を起こす。
「………」
白を基調とした壁に囲まれ、最低限の家具しか置かれていない自分の部屋をぐるりと見回すと、ベッドから降りる。
しっかし、見れば見るほどシンプルな部屋だ。
ある程度目覚めたものの、完全に眠気が取れたわけじゃない。
やっぱり目覚めには1杯のコーヒー。これに限るんだ。
台所へ移動し、目当てのコーヒーを作るべくいつも使うインスタントのコーヒーを探してみるが、
「…嘘だろ……」
無い。
おかしい、確かに昨日はあったはずなのに………あ。
「あぁ……」
完全に忘れていた。 そうだ、ちょうど昨日使った分で終わったんだっけか……うっかりしていたな。
となると、新しく買いに行かなきゃならないのか。
「……仕方ねぇ」
寝起きで多少眠気と怠さはあるが、別に近所のスーパーに買いに行く為に歩く分には支障は無いだろう。
そうと決まれば早速着替えるか、さすがに寝間着のままじゃ出かけられたものじゃない。 それ以前に常識を疑われそうだしな。
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