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 一瞬たりもと気が抜けない。どんなきっかけで未来が変わってしまうかも分からない。  彼が寛治にナイフを振り上げた所で、私は渾身の力で彼に体当たりをした。 「寛治になにするのよ!!」   彼を睨みつける。 「うわぁぁぁぁぁぁ!!」  彼が雄叫びを上げて、私を突き飛ばした。王手。チェックメイト。  笑みさえ浮かべていたかもしれない。私はそのままフェンスに激突した。弾みでフェンスが外れ、屋上から外に投げ出される。 「智子……ごめんね。会いに行くね」  何度も夢見た未来へと繋がった。これで私は智子を追うことが出来る。涙が一筋頬を伝った。
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