2/3
前へ
/35ページ
次へ
その間に、 大きなナンが2つ、 ぼくらのテーブルに運ばれてきた。 最初に来た店員とは別の、 濃い口ひげの長身の男が、 ぼくとレイコさんに、 ベジタリアンか、 ノンベジタリアンかと尋ねる。 レイコさんは「お野菜は、 なんでも美味しくいただくわ。 いつだったかしら、 麻布十番のなんとかいう無国籍料理屋さんで食べた、 水菜と大根を細かく刻んだのを、 ゆずドレッシングであえたサラダ、 あれなんか、 とってもヘルシーで…」などと言い出すので、 ぼくが途中で遮り、 二人ともノンベジだから、 と口ひげの店員に耳打ちした。 店員は、 サーと短く言って、 片目をつぶって見せる。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加