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その間に、
大きなナンが2つ、
ぼくらのテーブルに運ばれてきた。
最初に来た店員とは別の、
濃い口ひげの長身の男が、
ぼくとレイコさんに、
ベジタリアンか、
ノンベジタリアンかと尋ねる。
レイコさんは「お野菜は、
なんでも美味しくいただくわ。
いつだったかしら、
麻布十番のなんとかいう無国籍料理屋さんで食べた、
水菜と大根を細かく刻んだのを、
ゆずドレッシングであえたサラダ、
あれなんか、
とってもヘルシーで…」などと言い出すので、
ぼくが途中で遮り、
二人ともノンベジだから、
と口ひげの店員に耳打ちした。
店員は、
サーと短く言って、
片目をつぶって見せる。
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