3/3
前へ
/35ページ
次へ
象? とレイコさんは甲高い声を上げて、 目をまん丸に見開いた。 ぼくも確かに「象」と聞こえたが、 どうやら「エレファント」というニックネームで呼ばれる、 このゲストハウスの使用人のことらしい。 いや、 でも、 どうだろう、 はっきりとはわからない。 なにしろアマー氏のことだ、 本当に神々しい白象が、 ぼくらをひょいと鼻で吸い上げて背中に乗せ、 二人の駆け落ちの無事を祈って、 ゲストハウスから駅までの道を、 鳴り物入りで凱旋してくれる、 そんな仕掛けが用意してあったとしても、 何ら不思議はない…。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加