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こんな風にちょっと重たい話をするとき、 レイコさんは、 しきりに小首をかしげるくせがある。 首が傾くたびに、 ハート型の小さなイヤリングが、 耳元で微かに揺れる。 「じゃあ、」ぼくはカップを置いて、 レイコさんのほうに向き直り、 声を落とす。 「いまから、 駆け落ちでもしちゃおうか?」
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