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翌朝は、台風一過の晴天だった。
私の、この学校での最後の登校。
昨日までと全然違う登校に、戸惑う。
前までは、こんなに胸が、苦しくは無かったのに。
教室に入ると、鈴木君が目に入った。
既に、机に突っ伏して寝ているようだった。それはそうだ、さっき帰ってきたのだから、私も眠い。
「おはよう鈴木君」
返事は無かったが、私は彼の頭に近づいて、そっと囁いた。
「昨日はありがとう。大好き」
鈴木君は、起きる素振りも無かったが、少し、耳が赤くなっていた。
私は、もう一言付け加えた。
「おやすみ」
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