奇跡観測

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鈴木渓介君と言う男の子に、私が興味を持ったのは。彼がいつも独りぼっちだったからって訳じゃない。 彼は、学校でいつも、居眠りをしている。授業中の殆どの時間をそれで費やす。 先生は何も言わない。 特に授業の妨げになるか、クラスメイトの迷惑になるような事でもしなければ、生徒に関与する事は無い。 生徒は、居心地が悪くなれば、自然に消えてゆく。 彼がまだクラスメイトだという事は、成績が悪い訳でも無いのだろう。 ここは、塾みたいな学校だけど、生徒は当たり前のように、連み、和気藹々と仲間を作る。この何十億もいる人達の中で、一会の出逢いに奇跡を感じて。 それは本当に偶然なのか。 それとも、ただの必然か。 私は、1ヶ月前にこの学校に転校してきた。 お父さんの仕事の都合で、幼い頃から同じ町には留まらず、転校を繰り返している。 だからなのか、私には、友達と言える者を、今までに持った事が無い。
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