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が、例外はある。
私は『やつ』を含む種が、一瞬硬直してしまうほど苦手なのだ。
周囲の人達が見つけられない所につい視線がいき、見つけてしまう。それぐらい過敏になってしまうのだ。
今も視線のその先に、その姿を視認した瞬間、その一瞬の硬直をやり過ごしても急激な動きをとらない。
いや、とれない。
『やつ』は、こちらが激しい動きを示すとそれに応じたスピードで走るのだ。しかもかなりの確率で突進してくる。あっちも戦々恐々としているのだろうに、何故に種族単位でそのパターンなのか……訳がわからない。
とにかく、とりあえずこの場は離れる。逃げられる恐れがあるからできれば目を離したくないが、素手では立ち向かえない。絶対に無理。
それほど恐ろしいけれども、『やつ』に対しては滅殺あるのみ。
その一選択しかないのだ。
はたして戻ると、『やつ』は少々移動しながらもまだその部屋にいた。
逃がすまじ。
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