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 私は再びあの薄暗い地下室にいた。肩がまるごと見えるくらいまで服をはだけさせ、首の後ろから伸びるケーブルで大きな機械につながれていた。 「気分はどうだい」 「なんだか、変な気分です」  体の奥が熱をおびていて、ぼんやりとした気分。強ばっていたものがほぐされていくような、ピリリとした刺激があるような、気持ちいいような、気持ち悪いような、なんとも言葉では形容しにくい感覚だった。気を抜くと、声が出てしまいそうだ。  ここ数日、体の調子が悪かった。頭がぼうっとして、あらゆる関節が動かしにくかった。 それは風邪のような症状だった。  実際に機械が風邪をひくことはないため、冬の寒さでモーターがうまく回転していないのではないかと想像した。 「記憶容量のせいだね」  ヒロアキさんに相談してみると、そのように言われて地下室へと連れられた。バックアップと最適化をするらしい。 「君の人工知能が容量を超えてプログラムを増やしただけだよ。時折ここにきて、同じようにするといい。やり方は覚えたね」 「は、はい。ありがとうございます」 「どうしたチヒロ? 顔が赤いぞ」 「なんでも、ありません」  これからは一人で来ますと聞こえない程度に小さくささやいた。
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