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「琢磨、本気かよ?TEを処分するって?」
「あぁ、マジだよ。もう良いんだ!俺は完全に降りる事に決めたんだ。」
「でも、処分って売るのか?」
「いや、廃車にし正樹の手でスクラップにして欲しいんだ、和馬に乗せたくもないしオーナーを替えて走るのもツライんだ!このTE71は時代と共に消えるのが良いと俺は考えたんだ!
それに、和馬は、あのバトルで走り屋の熱は冷めたそうだ」
「なんでだ?和馬くんは小島の甥っ子に勝ったんだろ?
負けて降りるなら分からなくも無いが、勝った奴が降りるんだ?」
「勝ち負けだけの問題じゃないんだよ。
確かに和馬は勝ったが、あの風見浩太って男の車に賭ける情熱に和馬は負けたんだ。
風見浩太は、大学を辞めてイタリアに渡ったそうだ。」
「イタリア?」
「そうだ、本場のメカニックを学ぶ為に奴はイタリアをえらんだ!俺も同じさ、小島に勝ったが、俺は小島の車に賭ける情熱に負けたんだ!
俺たち親子は所詮、田舎の車好きな親子に過ぎないんだ、しかし小島や風見は違うんだ。
自分の人生を車に賭けてるんだ、、、背負ってる物が違うんだよ。
それを思い知らしらされた俺たち親子から走り屋の熱が消えたんだ。正樹も同じショップを出してる者として、感じるんじゃないのか?
小島も、また風見浩太も小さな街の走り屋、またショップでは終わらない、いや、終わらせないのでは?」
「そうだな、あの風見浩太って子は、やがては日本を代表するメカニックになるかも知れない、それに小島も今はショップの親父だが、かつては関東最速のダウンヒラーとして、この関東エリアで名を売った男だ、凄い連中だぜ!
その男に勝った琢磨も立派なもんだぜ!
もう、この軽自動車ブームも終わると思う、次は、どんな時代が来る、また走り屋の時代が来るのかは分からないが、次の時代が楽しみでしょうがないぜ!」
「だな!そうそう和馬が本腰入れて、仕事に打ち込みはじめたんだ!和馬が店を継ぐかは、分からないが親として準備だけは、してやらないとな!」
長々と、時間を開けましたが、この話は、これにて完結となります。
ありがとうございました、
また、別の作品も読んでみてください、ありがとうございます。
地味頁
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