49人が本棚に入れています
本棚に追加
それからも琢哉の両親はたびたび、
「琢哉が好きだったんだ」
っていろいろ持ってくる。
続く思い出話に苦笑いで対応しながら隣をちらり。
夢現のときにだけ現れていた琢哉は。
……いまは常に、私の隣にいる。
すこし目尻の垂れた、優しい微笑みをたたえたまま、立っている。
そして時折囁くのだ。
「ずっと一緒だよ」
病院にいたときに感じた違和感。
琢哉の両親に対して抱く違和感。
その正体を知りたくて、少しずついろいろ調べていった。
といっても、ネットの海をうろうろ彷徨うだけで、どうしていいのかわからない。
でも、その中で一つだけ引っかかったことがある。
現場にいた、作業員の言葉。
最初のコメントを投稿しよう!