ずっと一緒だよ

11/17
前へ
/17ページ
次へ
――あの事故でひとり助かったなんて信じられない。 だって、身体が潰れてた。 私の身体。 脊髄損傷で足はもちろん、胸から下の感覚はない。 胸の真ん中から下腹まで広がる、大きな傷跡。 内臓破裂で丸一日かかる大手術だったって聞いてる。 損傷が酷く、生命維持に支障のない子宮や卵巣は摘出されたって。 それは確かなことだろう。 でも、本当にそれだけ? 琢哉の幻が見えることを話すと、気のせいだと否定してくる医師。 妙に私、というよりも私の身体を気遣う琢哉の両親。 なにか。 なにかがきっと、隠されている。 「もうすっかり元気だね」 「おかげさまで」
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

49人が本棚に入れています
本棚に追加