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「琢哉さんにも感謝しなきゃだよ?
愛菜さんが生きてるの、彼のおかげだからね」
「……うん」
隣に立つ、理世さんには見えない琢哉をちらり。
聞こえてるのか……まあ、聞こえてないんだろうけど、相変わらず笑ってる。
「……もしかして琢哉さん、まだ見えてるの?」
「……見えてる」
私の視線に気づいたのか、理世さんが眉をひそめた。
「仕方ないと云えば仕方ないのかもしれないけど。
あんまり気にしないほうがいいよ?」
「……そうだね。
ところでさ、理世さんの今度の休み、いつ?
買い物行きたいんだけど、母さんから許可が出なくて……」
無理に笑って話題を変えると、理世さんも乗ってきてくれた。
会話の端々で引っかかったことは、心の中に書き留めておいた。
帰って、パソコンの前に座る。
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