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「な……っ」
一度は立ち上がり、握った拳をぶるぶると振るわせていた父だけれど、すぐに気が抜けたようにソファーに座り込み、あたまを抱えた。
「……どこまで知ってる」
「たぶん、琢哉から臓器移植を受けたってことくらい。
それもひとつじゃなくて」
……はぁーっ。
父の口から落ちる、深いため息。
「これから話すことは他言無用だ。
そういう条件で、俺たちも琢哉さんのご両親も、同意書にサインしたからな。
本来なら、おまえに話すこともできない。
これは、俺の一存で話すことだ」
「……ありがとう、父さん」
父さんが話したことによると。
やはり、目撃談の通り、私の身体は潰れてた。
反対に、琢哉は奇跡的に……というのも変だけど。
あたまが潰れただけだった。
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