ずっと一緒だよ

16/17
前へ
/17ページ
次へ
病院に運ばれた、即死のだけど身体が無事な琢哉と、かろうじて生きているけど身体がぐちゃぐちゃな私。 不藤医師の下した決断は、琢哉の臓器をそっくり、私に移植すること。 手術自体がうまくいくかも賭、拒否反応だって賭。 さらには倫理や法的手続きなんかも無視して行う手術だから、明るみになれば社会的罪は重い。 説明を受けた両親は当然、迷ったそうだ。 けれど迷えば迷うだけ、それでなくてもゼロに近い成功率がどんどん下がっていく。 半ばやけくそで私の両親も、琢哉の両親も同意書にサインした。 「そっか。 琢哉は私の中で……ううん。 私は琢哉に、生かしてもらってるんだ」 「……俺たちを恨んでいるだろうな、おまえも、琢哉さんも。 でも、失いたくなかったんだ」 「ううん。 まったく恨んでないとは云えないけど」
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

49人が本棚に入れています
本棚に追加