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でも、返ってきたのは。
「琢哉さんは、愛菜をかばって死んだの。
即死、だった」
ぎゅっと布団を握った手は震えてる。
でも、不思議と涙は出てこなかった。
……死んだんだ、琢哉は。
受け止められない現実だけでも壊れそうなのに。
夢がさらに追い打ちをかけてくる。
「ずっと一緒だよ」
毎日、毎日。
夢現の時間に琢哉が現れる。
最初のうちこそ嬉しかったが、次第に責められてる気がしてきて、回復していく身体とは反対に、塞ぎがちになっていった。
環境を変えれば、気分も晴れるのでは?
そういった配慮から退院が決まり、実家に戻る。
後遺症があり、車椅子生活になってしまった私のために、実家はリフォームしてあった。
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