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前世がトラックのエルフ、グレンが旅立って数日が経ったエルフ里。
そこでは一人の銀髪の美少女が木陰で物憂げに溜息を吐いていた。
グレンの幼馴染みで美形揃いのエルフ種でも里随一の美少女と評されるシルフィである。
透き通った白い肌、抜群の比率と高さで形成された目鼻立ち。
サラリと一体感を持って流れる艶やかな髪質。
そんな美貌を持つ彼女の悩ましげな顔は前を通りがかるエルフたちの目を釘付けにしていた。
「シルフィちゃん、またお兄ちゃんのこと考えてるの?」
「あ、スカーレット……」
シルフィに話しかけた少女はスカーレット。グレンの妹である。
名前の由来は髪の毛が緋色だから。
兄妹揃って安直なネーミングセンスである。
「あいつ、かなり足速いじゃん? ひょっとしたらもうニッサンの町を超えて王都のずっと先まで行って、絶対追いつけないところまで行ってるかもしれないなぁって……」
「はあ?」
いくらなんでも数日間でそんなに進めるわけないだろう。
スカーレットは大げさに悩んでいる幼馴染みに呆れた声をだす。
もっとも、大げさでもなんでもなく、グレンが本気を出せばそれくらい楽々走破できることをスカーレットは知らない。
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