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町に着くとリュキアは『わあーい!』と声を上げて一目散に走り去ってしまった。
ええ、そんなぁ……。
同行するのは町までという話だったから別に構わないんだが……。ちょっとだけ寂しい。
人混みに消えていく幼女の背中を静かに見送る。
彼女を見た町の通行人たちがなぜか次々悲鳴を上げているんだが、なんなんだろうな?
幼女を怖がるとかこの町の連中は少し変わっている。
そういえば、初めてリュキアと会った時も同じような反応をしていたっけ。
「……あたしたち、やばいのを町に連れ込んじゃったのかも」
「お前、さっきからちょっと変だぞ?」
挙動不審なリリンは置いといて、とりあえず先に領主のところに行こう。
冒険者ギルドに奴隷たちを連れてくわけにはいかん。
ささっと解放して、領主に保護してもらおう。
ちなみに保護と書いて、押し付けると読む。
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