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そんな感じで――。
「わははー!」
「ふんふんふーん、じゅるる……」
先頭を行くのはエルーシャとリュキア。
彼女らは木の棒を振り回しながらワイワイ仲良く並んで歩いている。
遠足気分か。
ちなみに木の棒は俺が倒した木からとったものだ。
次に続くのが拘束された盗賊と騎士ジェロム。
最後尾が俺とメイドのサラスである。
馬車は後から来る他の騎士が拾うらしいので放置していった。
「しかし、驚きましたね。人間を疎むエルフにそのような風習があったとは」
「俺の里では人嫌いのエルフなんかいなかったんだがなぁ……」
普通に人間と浮気してるアホもいたし。
たびたび出てくる認識の違いはホントなんなんだろ。
王都周辺で流行ってる考え方なのか?
「エルフでも地域によって考え方が異なるものなのですね」
サラスはそういう方向で納得することにしたらしい。
俺も考えるのが面倒になったのでまあそんなとこだろうなと思うことにした。
にしても、サラスたちはやたらと落ち着いているよな。
一応、これから盗賊の一団を相手取るはずなのに。
そちらに関してはまったく憂慮していない様子だ。
大した肝の据わりようだが……。
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