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「なにか気になる点でも?」
疑問が顔に出ていたのだろう。
サラスが怪訝そうに訊ねてきた。
「いや、知り合いの伯爵家の騎士よりもあんたらのほうが強そうで不思議だなと」
別に隊長やデリック君たちを貶すつもりはないが、サラスやジェロムの実力は彼らを遥かに凌いでるように見えた。
戦いを前にした態度や風格がなんか違うもん。
子爵って確か貴族の階級だと伯爵より下だったよな?
家の格からすると普通は逆だと思うんだけど。
「何も不思議なことじゃねえさ。爵位がそのまま手持ちの騎士の練度に直結するとは限らねえんだぜ? 文官の家なら騎士の育成にはそこまで力を入れないだろうしな」
話を聞いていたのか、ジェロムがこちらを向いて言ってくる。
「そうですね。特にニゴー家は武闘派の貴族ですから。兵の規模では伯爵家に及びませんが、その質は国内有数と自負しております」
「……武闘派だとメイドも強いの?」
俺はジト目でサラスを見やる。
「普通のメイドはそうでもありません。私はお嬢様の専属メイドですので……」
それって、そうでもない程度には強いってこと?
……武闘派貴族ってすごいんだな。
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