833人が本棚に入れています
本棚に追加
「サラス、あんたらのところのお嬢様は後ろに下げなくていいのか?」
リュキアとともに未だ先頭にいるエルーシャ。
女は避けて撃っているようだが、あんまり腕がよくなさそうだし危ないだろう。
と、思っていると
「『ウォーターバリア』」
エルーシャが唱え、水がドーム状に俺たちを覆うように発生した。
盗賊どもの放った矢は水のドームに弾かれ、すべて無効化される。
「エルーシャ様なら心配ありませんよ」
「そのようだな……」
まさか魔法の使い手だったとは。
「エルーシャ、すごーい!」
「ふふん、これでもわたしは王立魔道学園の生徒なのだぁよぉ?」
無邪気な称賛を受けたエルーシャがリュキアに対してドヤっていた。
しかし、リュキアに『おうりつ? なにそれー?』と言われへこんでいた。
何となく思ってたけど、こいつら精神年齢同じくらいだよな……。
「エルーシャ様は神童や寵児、才媛ほどではございませんが、学園で上位の成績を修めているんですよ?」
主人の自慢をしてくるメイド。いや、戦闘中だから。そういうのは後にしてよ。
まあ、仕える相手を誇らしく語りたい気持ちはわかるけど。
というか王立魔道学園……一度も行ったことないのに関係者によく会うな。
最初のコメントを投稿しよう!