盗賊と二号さん

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「サラス、あんたらのところのお嬢様は後ろに下げなくていいのか?」  リュキアとともに未だ先頭にいるエルーシャ。  女は避けて撃っているようだが、あんまり腕がよくなさそうだし危ないだろう。  と、思っていると 「『ウォーターバリア』」  エルーシャが唱え、水がドーム状に俺たちを覆うように発生した。  盗賊どもの放った矢は水のドームに弾かれ、すべて無効化される。 「エルーシャ様なら心配ありませんよ」 「そのようだな……」  まさか魔法の使い手だったとは。 「エルーシャ、すごーい!」 「ふふん、これでもわたしは王立魔道学園の生徒なのだぁよぉ?」  無邪気な称賛を受けたエルーシャがリュキアに対してドヤっていた。  しかし、リュキアに『おうりつ? なにそれー?』と言われへこんでいた。  何となく思ってたけど、こいつら精神年齢同じくらいだよな……。 「エルーシャ様は神童や寵児、才媛ほどではございませんが、学園で上位の成績を修めているんですよ?」  主人の自慢をしてくるメイド。いや、戦闘中だから。そういうのは後にしてよ。  まあ、仕える相手を誇らしく語りたい気持ちはわかるけど。  というか王立魔道学園……一度も行ったことないのに関係者によく会うな。
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