832人が本棚に入れています
本棚に追加
街道まで戻る。俺たちは王都に向かうのでエルーシャたちとは進行方向が反対だ。
彼女らは串焼きが再販されるまでフォンダー村とやらに逗留するらしい。
学校は行かなくていいのだろうか。
「手伝ってくれてありがとね! グレンたちは王都に行くんでしょ? わたしたちも王都に住んでるから、向こうで会えるといいね!」
一緒に食べて行ったらどうかと誘われたが、俺は奴隷の問題を解決しないといけない。
知り合いが捕まっているかもしれないし、早く助けてやらんと。
まあ、王立魔道学園に彼女がいるというならまた会うこともあるだろう。
「あの、グレン様。ちょっとよろしいですか?」
別れの間際、サラスに手招きをされる。
「……なんだ?」
雰囲気的に内緒の話をしたそうだったので二人で周りから距離をとって声を潜める。
エルーシャがリュキアの相手をしてくれたおかげでスムーズに離れることができた。
ホント、あいつら仲良くなったよな。
サラスはそんな二人にちらちら視線を送りながら口を開いた。
「あの子……リュキアさんでしたか? 彼女は大丈夫なのでしょうか?」
「大丈夫とは?」
「ですから……その……目の……特徴が……」
ごにょごにょ言っていてよく聞き取れん。
リュキアに聞こえるのを気にしているのか?
それにしたってエルフの耳で聞き取れないとかよっぽどだぞ。
最初のコメントを投稿しよう!