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「ふあっはっあっはっは!」
「ぐ、ううう……」
俺は脇腹を抑えてうずくまった。いくらトラックのボディだといっても、硬いものをぶつけられたら表面に傷はつく。
相応の衝撃だってあるのだ。特に脇腹のような脆い箇所は。どういうことか? 要するに結構痛いんだよ! 致命傷にはならんけどね。
青年門番は俺が苦しんでいるだけということに気が付いたのだろう。槍の先端をまじまじ見て高笑いを止めた。
「……待て、なぜ鎧も着ていないのに槍が貫通していない?」
「そりゃしねえだろ」
俺は涙目で立ち上がる。ちくしょー。魔法の風は大して痛くなかったのに。物理攻撃だと耐久度が下がるのか?
この身体は矛盾の塊みたいなもんだから、いろいろとわからないことが多い。何でもかんでも受け止めるのはやめたほうがいいな。
「そうか、エルフの魔法か……小賢しい!」
また魔法のせいということで納得してもらえた。
全部魔法、全部全部、魔法のせいなのね。
「小手先の力なんぞ、オレの鍛え上げた肉体と技術で粉砕してくれる!」
槍を構え直し、青年門番は次なる攻撃の準備に入った。
技術は小手先じゃないんかい……。もうこいつに突っ込んでいたらキリがねえ!
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