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「グレン、がんばってぇ!」
リュキアはキャッキャと跳ねながら声援を送ってくる。
この状況を楽しんでるとかマジかよ。逞しい幼女だな、お前はホント……。
「くっ、化け物エルフめ……こうなったら……」
冷や汗を垂らす青年門番。さて、彼はここからどう出るか。
窺っていると、彼は無邪気にはしゃいでいるリュキアに視線を移した
「ん、お前まさか……」
そして青年門番が俺ではない相手の方向に一歩踏み出そうとしたその時である。
「おいコラ! 貴様、何をやっておるかぁ――ッ!」
屋敷のほうから焦ったような様子で鎧を着た中年のおっさん騎士が怒鳴り声を上げながらドタドタ走ってきた。
援軍か? 一人二人増えても大局に変わりはないが、面倒ではあるな。
青年門番は安堵したような顔になり、向かう方角を改めた。ふむ、気の迷いだったなら見なかったことにしておくか。
……あの中年騎士には一応、事情を説明するところから入ってみようかね。
デリック君や女騎士みたいな話の通じる人かもしれないし。
そうあってほしいと願いながら俺は騎士が来るのを待った。
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