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「みんなぁ~いっしょに基本の魔法をマスターしていきましょうねぇ~? えいえい、おぅ~ですよぉ~?」
教壇に立った若い女教師がブルンブルンと大きな胸を揺らしてそう言った。
実技演習の授業を終えた俺は現在、ルドルフと別れて待ちに待った基礎魔法の講義を受けていた。
いたのだが……。
「ふふふん? 先生ねぇ。今日はお化粧の乗りがすっごくよかったのぉ~。だからみんなもぉ、今日はきっと魔法が上手くいくよぅ?」
お、おう……。
なんというか、ケツがむず痒くなる喋り方をする教員だな。
ゆったりとした服を着ているのにその大きさが尋常でないことがはっきりわかるバスト、ケツがデカいくせにぎゅっと締まったウエスト。
これが人間の世界で信仰の対象になっている『ないすばでぃ』ってやつか。
彼女の金髪は手入れが行き届いているのが一目でわかる艶を放っており、毛先は丹念に巻かれて細部までばっちりセットされている。
化粧発言といい、彼女は身だしなみに相当気を遣っているようだ。
女教師は胸部の膨らみを強調するような前傾姿勢で人差し指を立てると、
「じゃあ~みんなぁ? 教科書の14ページを開いてねぇ? うふふぅ~」
キランッ☆とウィンクをしてきた。
……まあ、なんでもいいさ。
魔法の呪文を教えてくれるなら。
だけど、俺はちょっとだけ、ちょっとだけなのか?
とにかく、先行きを不安に感じた。
そしてそれは現実のものとなる。
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