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おいおい、こいつ、せっかく可能性の光が見えてきたやつらに因縁つけようっていうのか?
「学園が落ちこぼれどものために用意してやった慈悲、基礎魔法の授業を集団でボイコットしたというのは由々しき事態だよ?」
ぎろりと鋭い視線で金髪オールバック鼻でかは平民たちを見回す。
「そ、それは……だって、あんな……」
ポーンが代表して異を唱えようとするが、
「ほう、この学園のカリキュラムに何か不満でもあるのかな? それなら僕が直に学園長に君たちの声を伝えてやろうかい?」
「……っ」
平民であるポーンは権力をちらつかせた脅しの前には何も言えない。
ここは俺が言うしかないか?
いざとなったらテックアート家の名前を出すことも考えよう。
ただ、こいつの家が伯爵より偉かったらどうにもならん。
使いどころを間違えるとレグル嬢たちに迷惑をかけてしまうことになる。
「一体何の騒ぎなのだよ?」
どう出るべきか、対応に悩んでいると食堂にラルキエリがやってきた。
みんなで食ってるから来いと声をかけたのだが、珍しく乗ってきたようだ。
きっと隣に並んでいるエルーシャやフィーナが引っ張り出してきたのだろう。
「およ? なんか思ったより大勢いるね?」
「ふむ、ひょっとして新たな実験体……被験者希望かな、なのだよ?」
暢気な二人。
似た者同士だから惹かれ合ったんだろうな。
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