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――――――
『おお、トラックよ。私はあなたの主を守ろうとする献身的な態度に心を打たれました』
次に意識が目覚めると俺はなんかキラキラした白い壁の部屋にいた。
目の前にはブロンドの髪をした白衣の美女が佇んでいる。
美女の背には後光が指していて神々しかった。照明係頑張ってんなぁ。
「あなたは一体……ここはどこでしょうか?」
何気なく頭に浮かべた俺の言葉は自然と音になって相手に伝わるように響いた。不思議な感覚だった。
身体は失われているのに意識だけがその場に漂っている感じ。これが俗にいう魂というやつなのだろうか。
じゃあ俺の発した声は魂の叫びというやつか?
『私は女神。そしてここは死後、よその世界に転生を希望する者を受け入れるための部屋。本来は人ではないあなたはここへは来ないはずだったのですが、私の裁量で特別にお招きさせていただきました』
俺の問いに美女は答える。なるほどね、女神様ならこの神々しさも納得だ。
言葉遣いも丁寧で清楚な印象。異性の前でも平気で下ネタを言うヘビースモーカーなご主人とは対極に位置する女性だった。
「俺は別に転生を希望した覚えはないのですが……。どうしてまた一体? そういえば心を打たれたとか言ってましたが」
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