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「緊張してバナナが八本しか食べられなかったよ……」
「うう、人がいっぱいいるわね……」
「胸がどきどきする……」
ツインテ少女と小デブ、ポーンたちは思わぬギャラリーの多さに萎縮していた。
ホント、なんでこんなに多いんだろう。
まるでちょっとした祭りのような盛況ぶりである。
「ラッセル一派やゼブルス教諭があちこちで喧伝して回っていたのだよ? 少しでも多くの観衆の前で我輩たちに恥をかかせるためにね?」
ラルキエリが眼鏡を気だるそうに持ち上げながら言った。
なるほど、あの連中に似合いの嫌がらせだな。
しかし、さらさら負ける気はないので恥とかはあっそって感じ。
ただ、人間というのは感情という厄介なもんに左右されがちな生き物なわけで……。
「あわわわ……」
「うう、モッチャモッチャ……やっぱりいつもより食べられない……」
「うう、胃が痛いわ……」
みんなガチガチになってやがる。
これでは平常時のパフォーマンスを期待できるかどうか。
せっかく今日までみっちりトレーニングを行なってきたというのに。
こんな調子で大丈夫かよ。
ラッセルやゼブルス教諭の目論みとは違う意味で悪影響が及ぶとは。
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