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どうする? 止めるか?
けど、決闘は対戦者本人の申告以外では降参が認められないルールだし……。
ツインテ少女が自分から負けを認める気配はない。
このまま彼女が傷つけられるのを見ているしかないのか?
「ぷんぷんっ! ちょっとラッセルくんに文句言ってくるよぉ!?」
事態を知って憤慨した女教師がズカズカ歩き、相手の陣地まで抗議に向かってしまう。
証拠もないなかで連中が素直に認めるとは思えないんだが……。
「おい、行っちまったぞ」
「他に手段もないし、とりあえず彼女に任せてみるのだよ?」
まあ、教師である彼女が言うなら多少は変わるかもしれないな。
そういうわけで俺たちはしばらく静観することにしたのだが――
それからの試合は酷いものだった。
ハムファイトは愉悦に満ちた表情で無抵抗のツインテ少女をいたぶっていく。
戦闘不能にさせないよう、少しずつ痛めつける意地の悪い攻撃が連続する。
明らかに勝利ではなく、相手をなぶることを目的とした戦い方だった。
「ま、参り……」
「わはは! プチサンダー! プチサンダー! またまたプチサンダー!」
「きゃああああああっ!」
限界まで痛めつけられ、ツインテ少女がいよいよ負けを認めようとしたタイミングになるとハムファイトはすかさず魔法を放ち、最後まで言わせないようにする。
そういう攻撃を何度も何度も繰り返す。
……ちっ、性根が腐っているにもほどがあるぞ。
ラッセルがいう魔導士の誇りってのは、こういう輩に好き放題させることなのか……?
ふざけんなよ……!
そして――
とうとうツインテ少女は立ち上がる力もなくなって倒れ、審判が試合終了を告げた。
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