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◇◇◇◇◇
「つまり、ハムファイト君が負けを強要したと?」
「そうですよぉ、だってあんな一方的で無抵抗なんてぇ、おかしいですもん!」
「「「ふむぅ……」」」
現在、決闘はまたもや中断され審議が行われていた。
「ですが証拠が何もないのでは……」
「ハムファイト君も否定していますしね」
「貴女たちの主観だけでは事実と断定するには弱すぎます」
審判たちは芳しくない反応をする。
まあ、そりゃそうか……。
女教師の尽力で抗議の場を設けることはできたが、ハムファイトが自白でもしない限り言った言わないの泥沼にしかならない
ハムファイトの様子をちらっと見る。
やつはふてぶてしく堂々と立っていた。
このまましらばっくれる気満々だな。
判定用のカメラとかがあればなぁ……。
やっぱりドライブレコーダーは必要ってことだ。
「失礼ですが、貴女は……彼らを信じているのですか?」
審判たちとのやり取りを静観していたラッセルが割って入り女教師に訊ねる。
「そうだよぅ! この子たちはわたしの生徒なんだよぅ!」
「はぁ……仕方がない」
ラッセルは大きく溜め息を吐くと、
「教師である……貴女の言うことでなければ下らないと一蹴していたところですが、この場は僕の力を使って真実を明らかにしましょう。今回の条件なら恐らく何とかなるはず。すべてをはっきりさせたうえで次の試合を行なおうじゃないですか」
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