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「ハムファイト君……どうやら嘘つきは君だったようだね。実に残念だ。君がこんなことをする人間だったとは……」
ハムファイトとラッセルが揉めている。
気まずい雰囲気が二人の間に漂っていた。
「違うんです! これは何かの間違いなんです!」
「何も違わないだろう、言い訳はいらん!」
「わ、私はあなたのために……! あなたが余計なことをしなければ丸く収まったのに!」
「相手がどんな愚者であろうと、我々が道理を曲げることは許されない。君の行ないは魔導士として、貴族として、学園の生徒として恥ずべきことだ。もちろん、君の本質を見抜けず代表に選んだ僕にも責任がないとは言えないがね……」
おい、愚者ってなんだ。
喧嘩売ってんのか? いや、喧嘩になったから決闘やってんだったな。
「すまないが、卒業後に用意していた君のポストは考え直させてもらうよ」
「あぁ……そ、そんな……くそ……くそ……こんなはずでは……!」
ラッセルに冷たく突き放されたハムファイトは顔面を蒼白にさせて後退りする。
そして、
「お、お前らさえいなければ――ッ! 私の将来は安泰だったのに――ッ!」
ハムファイトは口から泡を飛ばして叫び、俺たちのほうに突進してきた……が、
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