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「う、うわっ! あれっ!? なんだっ!?」
次の瞬間、ハムファイトは空中で逆さ吊りにされていた。
ヒュウヒュウと吹く風。これは魔法によるものか? 一体誰が?
「さっきから見てたらよぉ、まったく気に入らねえ野郎だ……」
観客席の向こうからルドルフがのそのそ歩いてくる。
どうやら魔法を放ったのは彼のようだった。
性格に反して器用なこともできたんだな。
「オレは特権意識でお高くとまってる貴族が何より嫌いでよぉ……」
ルドルフはイラついた様子でハムファイトに詰め寄る。
「権力ってのはやりたい放題やった最後にケツを拭く程度のもんだろ。血筋でテメェが強くなったつもりか? 勘違いしてんじゃねえぞ。同じように権力で潰してやろうかァ?」
「ひいいっ……!」
じょばばばばばぁ……。
うわ、ばっちぃ!
ルドルフに恫喝されて縮み上がるハムファイト。
なんか憤ってるけど……お前もニッサンの街でいろいろやってただろが!
知らない? ああそうですか……。
やっぱり、こいつ無茶苦茶だわ。
最近は馴れ合ってたけど適切な距離を置くことを忘れてはいけないやつだと思いました。
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