精霊と決着

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◇◇◇◇◇  俺とラッセルはフィールドに二人で向かい合って立っていた。  歓声も再び沸いて、いい具合で場は温まっている。 「本当によかったのかい? あのままなら君たちの勝利で終わっていたはずだ」 「俺たちは形だけの勝利が欲しいわけじゃない。あんな勝ち方じゃ意味がないんだよ」  独断で決めたのはちょっと横暴だったかもしれんけど。  ラルキエリや女教師、ポーンたちも事後承諾で賛成してくれたから問題ない。 「お前こそ、えらく負けを許容してるじゃないか」 「我々に非があったのだから甘んじて受け入れるのは当然だろう。君たちの戦い方には思うところがたくさんあるが、審判が認めた以上は正攻法と見做すしかない。だが、階級を使った負けの強要は明確なルール違反だ」  ほう、意外と殊勝な考え方をしているんだな。  ちょっとだけやつの認識を改めてやる必要があるようだ。 「さて、真剣勝負なら手加減は一切しないぞ? こちらは負けるはずのところから勝ちを拾わせてもらえるので助かるが……今ならまだ取り消しを認めてもいい」  ラッセルは舐めているのではなく、俺たちのために言っているのだろう。  だが、そこは余計な世話ってやつだ。
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