精霊と決着

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◇◇◇◇◇  ラッセル一派との決闘から一週間後。 「ほらほら! もっとスピードを上げて走るのだよ!」 『いちにーさんしーとーらっくー! にーにーさんしーとーらっく!』  うららかな日差しの午後。  列を作って学園内を走る生徒たちを監視しながら読書をするラルキエリを見つけた。 「よう、ラルキエリ。研究はどんな具合だ?」 「ふむ、なかなか順調なのだよ? 研究費も五倍に増えることが決まったしね?」  そういえば決闘前にラッセルとそんな約束してたな。  ちゃんと果たされるのか。  それはよかった。 「ところで、トレーニングの成果をさらに上げるため、騎士がやっている重い砂袋を担いで持ち歩く鍛練を参考にしようと思ったのだがね? あれは実に非効率だと思うのだよ? もっと理にかなった動作で特定の部位に負荷を与えるようにすれば筋肉を効率よく鍛えることができるはずなのだよ? 今はその運動を行なうための専用器具を作れないか、人体の構造を分析しつつ模索しているのだが――」 「…………」  考えているらしいアイディアをベラベラ喋り出すラルキエリ。  ひょっとしてこいつ、現代にあったウエイトマシンの概念を自力で思いついたのか?  俺は何も言ってないのに。すごい発想力だな……。
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