精霊と決着

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 そんな感じでランニングを行なうラッセル軍団。  そういえば集団のなかにハムファイト君の姿がない。  校内でもあれから一度も見かけていなかった。  彼はどこにいったんだろう……。まあ、深く考えてもしょうがないか。  あれから、学園は少しだけ変わった。  どこら辺が変わったかというと、青白い顔で本を読む生徒が減り、代わりに敷地内で運動をする生徒が多く見られるようになった。  発達してきた筋肉を互いに見せ合う生徒たちの微笑ましい光景もよく目にする。  制服の代わりに動きやすいジャージを普段着にしている者も増えた。  売店では回復ポーションの売れ行きが伸びているとかいないとか。  汗を流して己を鍛えるようになったモヤシ生徒たちを見ると成し遂げた気がしてこそばゆい。  ……あれ、ちょっと待て。  俺ってこんなことをしにきたんだっけ? 「なあ、俺って今までなにやってたんだろうか……」 「え、今頃なのですか?」  寮の部屋に戻って相談すると、メイドさんは驚いたように目を見開いていた。
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