子爵家と民族競技

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◇◇◇◇◇ 「挽回ですか……? 神童、寵児、才媛の御三方をまとめ上げて学園最大の派閥を作ることもできましたし、グレン様は順調に成果を得ていると判断してよろしいのでは?」  メイドさんに相談すると、なんかポジティブな答えが返ってきた。 「え……? そう……なの?」  確かにラルキエリやラッセルと知り合いになったことで『成り行きで人脈の広い人物とお近づきになる』という初日に立てた目標(さっきまで忘れてたけど)はクリアできていた。  でも、派閥ってなんだろう。そんなもん作ったか? ふむふむ……?  どうやらメイドさんの話によると、 俺とラルキエリ、筋トレ理論に参加していた平民生徒たち、協力をしていたエルーシャやルドルフがもともとひとつの勢力だと思われていたらしい。  そこに決闘で敗れたラッセル一派が軍門に下り、さらに筋トレ理論に興味を持ちながらもラッセルや教師の目を気にして躊躇っていた生徒たちが加わって学園を統一する最大派閥が生まれた――と対外的には認識されているそうなのだ。  そんで派閥の中心核と見做されているのがラルキエリ、ルドルフ、ラッセル、そして俺なんだと。  いや、あいつらはもとから有名人っぽかったから理解できるけど……。  どうして俺まで?
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