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「寄り切りじゃとォ!? それも綺麗な馬車道までできておる……!」
寄り切り? 馬車道? なにそれ?
ふんふん……?
どうやら組み合った状態でそのままドヒョウの外に押し出して勝つことを寄り切り、踏ん張った両足の跡が地面にまっすぐ続いて残ることを馬車道というらしい。
「まさかドルジィが……。我が子爵家でモウスが一番強いドルジィがあんなにあっさり負かされてしまうとは……! ワシの想像以上じゃ……!」
ニゴー子爵は驚愕に打ち震えていた。
「いや、完敗だったっス。差があり過ぎて悔しいとすら思えなかったっスよ……」
ドルジィ君がおずおずと話しかけてきた。
「勝負の前は魔法の力とか言って申し訳なかったっス。実際に戦ってわかったっス。あんたは本物っス! 追いつけるように自分も鍛練頑張るっス!」
柱を壊したのは俺が悪いのに謝罪をされてしまった。
てか、人間基準ならドルジィ君は十分に規格外なパワーのはずだけど。
トラックパワーを搭載した俺が人型をしているせいで、彼は人の限界値が俺くらいまであると思い込んでしまったらしい。
まあ、人間は常識を超えた存在が新しい常識を作って進化を続けてきたと聞くし。
高みを目指すのはいいことだろう。
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