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「どうするよ。お仲間はもう誰も戦えないみたいだが。まだやるかい?」
「当たり前だ。仲間だけに戦わせて、けしかけたオレが何もせず降参なんかできるわけないだろ」
「…………」
ほう、クズのくせに身内には義理堅いんだな。
一名ほど戦わずに逃げた仲間もいたようだが……。
そこは触れないでおいてやろう。
「〇▲◆*※?……――」
たった一人になったルドルフは何やらブツブツと呟きだした。
見ればやつの頭上には塵が舞い、空気の渦が巻き起こっている。信じられん、こいつ本当にやりやがったぜ!
「ルドルフ、こんな町中で攻撃魔法を使う気なの!? あんたバカなの!?」
平たいビッチがドン引きしていた。
町中で魔法をぶっ放そうとするルドルフに心底呆れているようだった。
「うるせえ! お前はオレがこのエルフを圧倒するところを見ていればいいんだよ!」
平たいビッチを助けに来たのに怒鳴りつけるとか本末転倒になっていませんかね……。目的が俺を倒すことに成り代わってますよ。
わざわざ助けに来て評価を下げるとか希少なことをしやがる。
あのチンピラが誰に嫌われようと構わないが、この暴走は阻止しなくてはならない。
俺は時速六十キロでルドルフの懐に飛び込み、鎖骨付近にトラックストレートをお見舞いしてやった。
ところが、
「なぬっ!?」
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