感銘と約束

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感銘と約束

「んっ! おいしょっ! おっとっと……」  ぶつかってきたドルジィ君を俺はしっかり受け止めた。  合図と同時の速攻に反応が遅れて一方的に受ける形になってしまったせいもあるが、まさか俺が数ミリも押されてしまうとはやるな。  生身の人間にしては――だが。  ズリズリズリズリ……。 「なっ、なんスか、この馬力は……!」  俺が反撃で押し返していくと、その力強さに困惑するドルジィ君。  確か相手を輪っかの外に出せば勝ちだったよな?  俺とドルジィ君はしっかりと組み合ったまま正面からの押し合いに発展する。  ドルジィ君は顔を赤く歪めながら全力で俺を押し返そうとしていたが、いくら頑張っても人間がトラックと力比べで勝てるわけがない。 「ド、ドルジィが押されてるぅ!?」 「あいつ、正面からドルジィのぶちかましを耐えた上にコレかよ!」 「どうなってんだあのエルフは……!」  周囲から困惑の声がちらほら聞こえてくる。  自分、トラックっスから!  俺はエンジンを稼働させて真っ直ぐに進んでいく。 「ウオォォオォオォ! ま、負けないっスゥウゥゥウゥウゥゥ!」  ドルジィ君はドヒョウの上で咆哮し、精一杯の力を振り絞ってきた。  ドルジィ君の力強い下半身の証明として彼の足の裏の地面が抉れていく。  だが、  やがて――  必死に踏ん張った痕跡をドヒョウの上に残し、ドルジィ君の足は輪っかの外に出た。
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