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ふと、どこかで見覚えのある顔だと思った。 最近記憶力が落ちてきたような気がするのだが、本当に最近見た顔のはずだった。 様々な記憶の蓋を開けていくが――― 「お疲れ様でーすっ!」 突如後ろから抱きつかれる。 「またお前か、近藤!」 「郡次さんの背中、自分めっちゃ好きなんですよー。まぁ、許してください」 無邪気に笑う顔が脇腹から覗いてきた。 近藤 ゆき。いつも後ろから抱き着いては脇をくすぐっていくはた迷惑な奴だ。 あまりにもくっついてくるので、好意があるのかと思い、俺自身もノリノリで交際を申し込んだことがあったが、玉砕した苦い思い出がある。しかし、その後も変わらず抱き着かれるのだが、これでも好意がないというのだろうか・・・・・・。
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