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「ふむ、ではそうするよ。あぁ、そうそう。キミはなんでもメモする癖があるんだが、そのメモ帳をいれたま上着を渡してはいけないと思うんだ」
「そんなことはないだろう、いつも尻ポケットに」
「では、私の手にあるこれは何だろうか?」
そういって、私は黒革の少々厚みのあるメモ帳を見せる。
彼が警察官になった際にお祝いで渡しものと同じメモ帳です。
使いやすいと言ってくれたので、お店を紹介したら常連さんになったと聞きました。
「・・・・・・また盗っただろう」と睨んでくる郡次くん。
「まるで私が泥棒をしたかのような言い草だな、郡次くん。違うよ、私は尻ポケットから落ちそうになったところをすかさず盗るような真似はしないよ」
そういって、私がにっこり笑うと郡次くんはいつも頭を抱えます。
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