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「…ってことを校長先生と話しててショート遅れた。」
「…はぁ。」
二人で家に帰り、朝食の魚の残りと骨を使ったあら汁をすすりながら、武藤は頭にはてなをたくさん浮かべながら曖昧に返事をした。
なぜはてなが浮かんでいるのか。
それは、神崎が色々省いて説明したからだ。
武藤の家庭事情、中学時代にあった事件諸々を全て省いて説明したため、肝心な同居をする理由というのが良く伝わっていなかった。
突っ込むのも面倒クセェな…と武藤が思ってくれたため、神崎は核心に迫られずに済んだのだ。
教師であるとはいえ、武藤に愛情と同情を向けたことを悟られたくはなかったのだろうか。否、武藤に過去を思い出させたくなかったのかもしれない。
_____…地味に美味ェ。
「…おかわり。」
「お、そんなに美味かったか。
可愛いとこあんじゃ~ん。」
「……ごちそうさん。」
「嘘嘘嘘!!ごめんておかわりしたいんだろぉ?お椀ちょーだい、おにーさん。」
「……居酒屋の真似事やめろよ気分悪ィな。」
武藤は渡しかけたお椀を手元に戻し、不貞腐れてそっぽを向いている。
「…まァ残ってるから好きな時に食いな。」
「っせェなもう良いわ。」
「素直になんねェとおじさん……手出しちまうぞぉ?」
神崎がそう言った途端、武藤は顔を真っ青にして台所へ駆けて行った。
「いつ……!?…おい馬鹿っ…!」
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